浦和が日本で初めて「ハイブリッド芝」のピッチで公式戦を行った。10日、さいたま市レッズランドで、Jユース杯の浦和ユース-秋田U-18戦を開催。天然芝の補強材として人工芝を用いるシステム「エクストラグラス」を導入した新ピッチを初使用した。

 浦和ユース主将のFW渡辺陽は「普通の天然芝ピッチと感触は変わらなかった」と話した。試合後、ピッチに深いスパイク痕は全く見当たらず。山道強化本部長は「来年の夏までうまく育てば、さらによくなる」とうなずいた。

 この方式は人工芝を植えた基布を地面に張り、その上に敷き詰めた土に、天然芝を生やす。基布は保水力で芝の発育を促した後、糸が腐食・分解され、合成樹脂のメッシュ部分だけが残る。ここに根が絡みつきながら育つことで、耐用性が3倍になるとされる。寒地型の芝を用いる欧州各国リーグやW杯などではすでに採用されてきたが、暖地型の芝を使う日本でフルピッチ採用は初。

 山道強化本部長は「既存の施設に加え、耐用性の高いピッチができたことで選択肢が増え、よりよい環境で育成年代を育てることができる」と意義を強調した。「国内初」を視察に、会場にはJリーグ関係者などが多く詰めかけた。【塩畑大輔】