鹿島が「世界2位方式」で、6年ぶり5度目の天皇杯制覇に挑む。今日24日の準々決勝はカシマで広島と対戦。勝てば、準決勝(29日)と決勝(来年1月1日)は、アジア勢で初めて決勝進出したクラブW杯で2試合を戦った大阪で開催。石井正忠監督(49)の要望もあり、同様の4泊5日の“なにわ合宿”で、結束を深めることを決定した。23日は茨城・鹿嶋市内で調整した。

 J制覇、クラブW杯準優勝の次は、天皇杯制覇だ! クラブW杯で11日間で4戦した激戦の疲労以上に、鹿島は活気に満ちあふれ、全員でのPK練習で最終調整を締めた。サポーター約700人も声援を送り、GK曽ケ端はチームを代表して言い切った。「みんなが注目してくれている実感があるし、この時期にサッカーができることが素晴らしいこと。最後にあと3つ勝てばタイトル。どんなに長くても、あと10日くらいしかできない」。G大阪と並んでいる天皇杯最多優勝回数を5に伸ばし、最高の正月を迎えるつもりだ。

 準決勝はヤンマー、決勝は吹田Sが舞台。クラブW杯では吹田Sで、11日の準々決勝マメロディ・サンダウンズ(南アフリカ)戦、14日の準決勝ナシオナル・メデジン(コロンビア)戦にいずれも完封勝ちした。世界2位の陰には、大阪での共同生活で過ごした有意義な時間もある。天皇杯決勝を見据え、石井監督は同じような道筋を描いた。「家族と過ごすことも重要だけれど、選手で一緒に過ごすことが力になったことも事実。移動の疲労も考慮して、より良い準備ができると思い要望しました」。広島を破った後、準決勝前日の28日に大阪入りし、4泊5日の“なにわ合宿”で賜杯を掲げる計画だ。

 練習後は、石井監督自ら鹿嶋市内で広島戦の来場を呼び掛けるビラ配りに、サポーターと一緒に参加した。Rマドリード(スペイン)を苦しめた自覚から「内容も上回って、勝たないといけない」と気持ちも引き締めた。まずは本拠最終戦での勝利をクリスマスプレゼントにし、大阪に乗り込む。【鎌田直秀】