東福岡の森重潤也監督(51)は、九州勢対決に快勝も「全然、危なげなくなかった。相手のペースになった時間も長かった」と渋い表情を浮かべた。

 前半2分にFW藤井一輝(3年)が、MF青木駿(3年)の左クロスを頭で合わせて先制し主導権を握った。それが後半に入ると、鹿児島城西に押し返される場面もあり、シュート数11対1ほどの差が感じられないほど流れは停滞。同監督は「相手がうちの攻撃に対し、きちんと守備をしてきて、相手のペースになってしまった時間が、かなり長かった」と不満顔だった。

 J1磐田入りが内定しているMF藤川虎太朗(3年)は先制点の起点、後半36分のアシスト、同ロスタイムのPKを誘発するパスなど全得点に絡む活躍を見せたが、森重監督は「パスをさばくだけではダメ」と、あえてダメ出しした。藤川は昨年の全国高校総体では得点王になっており、この日もゴールを狙う姿勢こそ見せたが、シュートは前半の1本に終わった。

 森重監督は「彼の本来、持っているパフォーマンスには至らない。運動量もそうだし(試合への)関わり方もそう。点を取る場面を、自分自身でも作らないと。もっとゴール前に顔を出さないと、いいところが出ない」と、藤川の“原点回帰”に期待した。【村上幸将】