ホーム戦今季初勝利はならなかった。アルビレックス新潟は0-3でFC東京に完敗。今季初の連勝を逃し、昨年の福岡戦(8月20日)以来、245日ぶりのホーム戦勝利にも手が届かなかった。前半28分にフリーキック(FK)を直接決められて先制されると、後半は2失点。シュート11本と押し気味に試合を進めたが、ゴールを決めることはできなかった。

 試合終了と同時に、新潟のメンバーはがっくりと肩を落とした。3失点は第5節G大阪戦(2-3)、第6節鳥栖戦(0-3)に並んで今季最多。無得点は2試合ぶり。どうしても勝ちたかったホームで、屈辱的な完敗だった。

 前節甲府戦での今季初勝利の勢いは、試合の立ち上がりに見せた。前半20分までは圧倒的にボールを支配し、東京を押し込んだ。FWホニ(21)が相手の裏を狙って飛び出しを繰り返す。MFチアゴ・ガリャルド(27)のロングスロー1本でペナルティーエリア内を攻めた。

 だが、攻勢に出ながら得点できない。その中で東京のDF太田宏介(29)にFKを直接決められた。三浦文丈監督(46)は「前半のいい流れで得点できず、相手にワンチャンスを決められた」と悔やんだ。「あの先制点が精神的にきつかった」。MF小泉慶(22)もショックを隠せなかった。

 シュート数は東京の6本に対し、11本を数えた。優位に立っていた。ただ、DF富沢清太郎(34)は「いい流れのときに落とし穴にはまる」。自分たちのリズムで戦いながらも先制された。2失点目は膠着(こうちゃく)状態になりかけたときに、クロスから崩された。そしてPKを献上して3点目を与えた。

 「ここは抑えなければというポイントがある。そこを捉えて戦わなければ」。富沢は試合を支配できない状況に歯がゆさを感じた。攻守のかみ合わせと試合を支配する精神面。完敗の中で課題があらわになった。【斎藤慎一郎】