昨年12月の全日本大学選手権優勝の筑波大(茨城)が、J3のYSCC横浜(神奈川)を下し、2回戦へコマを進めた。

 筑波大のエースが2得点と躍動した。序盤からYS横浜に押し込まれる時間が続いていたが、粘り強い守備でしのぐと前半28分に好機が巡ってきた。敵陣左で、MF三苫薫(2年)が相手DFのクリアボールを拾うと、FW中野誠也(4年)へパス。中野が右足で流し込み、先制した。後半36分にも、MF北川柊斗(4年)の縦パスに抜けだしゴール。ロスタイムにFKを決められ1失点したが、そのまま逃げ切った。

 2得点でエースの役割を果たした中野は「苦しい時間が多かったけど、全員で守備するのはチームの決まり事。そんなに慌てなかった。もうちょっと早い時間に点を取れたシーンあったので、欲を言えばもう少しく早くチームを楽にさせたかった」と振り返った。来季からジュビロ磐田へ加入が内定している。「J1の選手」と見られるプレッシャーを背負うことを覚悟の上で、早い時期に決断した。J3の相手との対戦に「来年からJ1(でのプレーが)が決まっているので、ここで負けたらいけないという強い気持ちがあった。点数は取りたかった。結果を残せて良かった」と笑顔を見せた。

 2回戦は仙台との対戦だ。中野は「公式戦でJ1とやるのは自分で初めて。ここでどれだけできるかが、自分にとってもチームにとっても大きい」と見据える。磐田と対戦するには4回戦以降になるが「1試合でも多くやりたい。大学サッカーの価値をあげる意味でも、1試合1試合戦って勝って、筑波や大学サッカーがもっと取り上げられるようになれば」と話した。【岩田千代巳】