元イタリア代表のアレッサンドロ・デルピエロ氏(43)が22日、都内で行われた小児がんの子どもたちを支援するイベント「ルカ・モドリッチ チャリティーイベント2018 WE ARE THE FUTURE」に参加し、サッカー教室や子どもたちとの試合で汗を流した。

イベントは、クロアチア代表をワールドカップ(W杯)ロシア大会準優勝に導き、親日家としても知られるレアル・マドリードMFルカ・モドリッチ(33)が、小児がんと戦う日本の子どもたちを救いたいと希望。W杯準決勝イングランド戦で着用したユニホームを、日本でのチャリティーのために提供したいと提案したことをきっかけに立ち上がった。モドリッチはスペインリーグのシーズン中で来日出来ないため、来日が決まっていたデルピエロ氏にイベントの参加を依頼した。

デルピエロ氏は最初にサッカー教室を行い、子どもたちに優しくボールを投げてキックを促したり、パス交換をしたり、自らのテクニックを披露した。その後、チームを組み、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(37)のチームとフットサル3本勝負で対戦した。試合中は、自らが前に出ることは極力せずに、後方で試合を見守り、ゴール前で体を張って守っては前線にパスを出し、攻めは子どもたちの主体性に任せ、見守る姿勢を貫いた。

イベント後、取材に応じたデルピエロ氏は「今日は、子どもたちが楽しむことがメイン。それが出来たことを、うれしく思う」と、この日の主役は、あくまで子どもたちだったと強調。「私は人のために何かをしていきたい。日本だけでなく世界中でやっていきたい」とチャリティー活動の意義を訴えた。

元朝青龍の印象について聞かれると「横綱が素早いことに驚きました。サッカーが、ちゃんと出来ることに対して、非常に感銘を受けた。今度、ぜひイタリアに来ていただいて、サッカーが出来れば」と元朝青龍にイタリアに来て欲しいとリクエストした。

デルピエロ氏は、イベントに参加した子どもたちの質問にも応じた。「どうやったらサッカーがうまくなりますか?」と聞かれると「まず、僕は練習が大好き。チームメートと監督、コーチの言うことを聞き、進歩したいという気持ちが大事です」などと答えた。

この日は元日本代表MF岩本輝雄氏(46)、磯貝洋光氏(49)も参加した。チャリティーにはモドリッチのほか、趣意に賛同したRマドリードの同僚のスペイン代表DFセルヒオ・ラモス(32)、カタールのアル・サッドでプレーする元スペイン代表MFシャビ(38)、そしてデルピエロがユニホームを提供。日本代表からもブレーメンFW大迫勇也(28)、シントトロイデンMF遠藤航(25)がユニホームを提供した。関係者によると、今後、サイトを立ち上げてチャリティーオークションを行う予定だという。

デルピエロ氏は23日に岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われる、J2のFC岐阜-東京ヴェルディ戦に来場する。岐阜のマスコット「ギッフィー」から4月にユニホームを送られたことで交流が始まったことを受けての来場だという。試合前にはサッカー教室に加え、得意の左45度の角度“デルピエロゾーン”からFKを蹴り、GKのギッフィーと勝負するFK対決も行われる予定だ。【村上幸将】