元W杯主審の岡田正義審判員(52)が8日、涙で引退した。19歳で審判の道に入り、98年フランス大会でW杯の笛を吹いた岡田氏はこの日、都内のJFAハウスで松崎審判委員長とともに会見。審判人生を振り返って「未練はない」と話し「今後は後進の指導にあたりたい」と話した。

 JリーグではJ1の336試合を担当。300試合を超えるのは同氏だけで、すべての試合を数えると1600試合で審判をしたという。最後の笛となった4日の横浜-大宮(日産ス)を振り返って涙。試合後に横浜DF松田直樹から「ありがとうございました。ご迷惑をおかけしました」と声をかけられたことを明かし「松田君は審判にとって大変な選手だったけれど、いい選手だった」と話した。

 サポーターから判定について批判されることも少なくなかった。「正義」の名から「ジャスティス」とも呼ばれた。それでも「やめたいと思ったことは1度もない。信念を持ってやったし、幸せだった」と胸を張った。