G大阪の新スタジアムの最有力候補地として、休園中の「エキスポランド」(大阪・吹田市)内が18日までに浮上した。G大阪の意向を受けた吹田市がこの日、エキスポランドの敷地を管理する「日本万国博覧会記念機構」にスタジアム建設を求める要望書を提出した。現在のホーム万博記念競技場に代わるスタジアム候補地には高槻、茨木市が挙がっていたが、早ければ年内にもエキスポランドに一本化され、11年の完成を目指す見通しだ。

 G大阪悲願のサッカー専用スタジアム建設に向け、一大プロジェクトが動きだした。人身事故の影響で昨年12月から休園中のエキスポランド内が最有力候補地に浮上した。

 G大阪の意向を受けた吹田市がこの日、エキスポランドがある万博記念公園を管理する独立行政法人「日本万国博覧会記念機構」と大阪府に要望書を提出。阪口善雄市長も建設を「可能な限り支援していきたい」とする談話を発表した。クラブもエキスポランドを候補として検討していく意向を発表した。

 建設には150億円前後の資金が必要になるが、クラブ幹部は「今年中に方向性が見えてこないといけない」と説明した。関係者によると、2011年から国際試合を開催する際のFIFA(国際連盟)のスタジアム基準が厳しくなる。現在のホーム万博記念競技場は収容わずか2万1000人で、屋根はメーンスタンドの一部だけ。VIP室も完備されていないなど、問題点が多い。チームがACLに出場しても、11年以降は試合が開催できなくなる恐れがある。

 高槻や茨木も候補地に挙がっていたが、大きな進展はない。一方、来春に再オープンを目指すエキスポランドは新スタジアムと併設になれば、事故によるマイナスイメージをぬぐい去る効果も期待できる。敷地面積は約20万平方メートルあり、このうち4~5万平方メートルあればスタジアムは建設できる。クラブ幹部は「駐車場は約3000台分あるし(騒音などで)住民にも迷惑がかからない」と説明。チームの練習場から至近距離にあることも利点だ。

 今後、クラブは3万人規模のスタジアム建設を目指し、日本万国博覧会記念機構側に土地の提供を求めて交渉を進めていく。遅々として進まなかった計画が、最短で11年の完成に向けて急展開していきそうだ。