<J1:千葉3-2札幌>◇第25節◇20日◇札幌厚別

 また1歩、J2へ近づいた。コンサドーレ札幌がホームで17位千葉に2-3とJ1残留をかけた天王山で敗れた。前半14分、DF箕輪義信(32)が不用意なファウルで一発退場処分を受け、先制点を献上した。数的不利な状況で2度追いついたが、後半ロスタイムにFWダビ(24)が2枚目の警告をもらい退場。試合終了30秒前に決勝ゴールを決められ、ミスから自滅した。16位磐田と勝ち点差は9のままだが、9試合連続未勝利と光は見えてこない。

 最後はあっけなく終わった。2-2のドローが濃厚な後半ロスタイム。FWダビがゴール前でクロスボールをマラドーナの「神の手」ゴールのように手で触り、悪質なハンドとして2枚目の警告を受け、退場処分となった。人数は9対11。その直後のプレーでMF谷沢に決勝点を決められた。2点目を決めたFWアンデルソンは「どうしても結果が必要だった。最後まで11人で戦いたかった」と悔しがった。

 まさに自滅だった。開始の痛恨のファウルが尾を引いた。前半14分。俊足のMF深井に裏を抜け出され、DF箕輪が後ろから足を入れて倒した。開始間もない時間帯で一発退場。試合開始早々でゲームプランに狂いが生じた。三浦監督は「苦しい状況になったのは間違いない」と振り返った。前節清水戦とは違い、選手は気迫あふれるプレーを披露。1人少ない状況で2度同点に追いついた。それだけに2度の退場劇は痛かった。

 選手の自覚が足りないのか。2人の退場者は7月20日のホーム神戸戦以来今季2度目。周りのチームメートが声を掛け合い、状況を冷静に振り返られる意識があれば、防げたミスだ。ダビは退場の5分前にも同じプレーで審判から注意を受けていた。三浦監督は「内容的には決して負けていなかった。勝つチャンスはあった」と話しただけに、悔やまれる1戦になった。

 J2降格の足音が確実に近づいている。残り9試合で17位千葉との差は7に広がった。16位磐田との差は9と変わらないが、自動降格圏脱出は依然として厳しい状況だ。チームは9試合連続未勝利、ホームでも10試合連続未勝利と流れに乗れない。アンデルソンは「全員で力を合わせて、勝ち点3を取りたい。勝つことを意識していい準備をしたい」と声を振り絞った。だが、次節の大分戦は主力のダビ、箕輪と出場停止。がけっぷちに変わりはない。【長島一浩】