<J2:仙台2-1湘南>◇第37節◇23日◇平塚

 J1切符が見えた、劇的ロスタイム弾でベガルタが4カ月ぶりの3位浮上だ!

 J2仙台は1-1の後半ロスタイムに、MF菅井直樹(24)がヘディングシュートを決め、今季2度目の4連勝を飾った。手倉森誠監督(40)も予想外の結末に「舌好調」。鳥栖に0-1で敗れた2位山形に勝ち点1差と迫り、自動昇格切符(2位以上)も射程圏内に入った。

 決めた本人が、誰よりも驚いた。MF佐藤の左FKにファーで、頭で合わせたシュート。ゴールする瞬間を見ていない菅井が、半信半疑で副審を見る。得点を確信するとスタンドへ一目散にダッシュ。遠路駆けつけた約1500人のサポーターと喜びを爆発させた。「中へ折り返すつもりだった」(菅井)ラッキーなゴールが劇的勝利を運んだ。

 ドラマチックな幕切れに指揮官も興奮した。「アウェーで、しかも上位のチームに劇的な勝ち方をできたということは、自信を持っていい。山形を追い越すまでトライし続ける」。監督交代人事が表面化し、表情が硬かった指揮官も「きたでぇ~。ジャイアンツみたいに行きたい!」と“ベガルタ劇場”の開演を、高らかに宣言した。

 ドローも覚悟した。後半34分、湘南MF加藤に同点の直接FKを決められGK林は「自分のミス。チームに迷惑をかけた」と涙目で反省。だが指揮官は「選手があきらめなかった。チームの成長を表している」と前後半のロスタイム弾に胸を張った。今季2度目の4連勝で、J2通算150勝目。2戦連続得点のキャプテン梁は「まだ5連勝していない」と語気を強めた。広島のJ1復帰が決定。残り1枚の自動昇格切符を、何が何でもつかみ取る。【山崎安昭】