首位鹿島のMF野沢拓也(27)が「ドロップFK」で優勝請負人になる。Jリーグ残り3試合で勝ち点2差で4位につける23日の大分戦は大一番。MFダニーロが右ひざ負傷で欠場となり、野沢がリーグ戦では9月20日の柏戦以来、約2カ月ぶりに先発復帰する。22日は今季から蹴り始めた縦回転に落ちるFKを居残り練習。縦に大きく割れる軌道で何本も決めた。

 「前は(横に)カーブするFKだったけど縦回転の方がGKも嫌がる」。通常のFKならば助走はボールに対して斜め後方から入り、GKもキッカーの体勢でコースを読みやすい。だが新FKは真後ろから助走をつけるため「どこに来るか分からない」と練習台となったGK川俣が証言する。

 今季は不振で夏場からレギュラー陥落したが、シーズン終盤戦にはめっぽう強い。11、12月は公式戦46得点中、14得点をマーク。昨年も王手をかけられた浦和戦で決勝弾を決め逆転優勝を呼び込んだ。「出番が来れば頑張る」。ドロップするようなFKは、日本シリーズでMVPに輝いた西武岸投手の縦カーブのよう。野沢もMVP級の活躍で2連覇へ導く。【広重竜太郎】