磐田FW前田遼一(27)が、「中山越え」でJ1残留に導く。現在リーグ戦8得点で、チーム内ではFWジウシーニョの9得点に次ぐ2位。06、07年と2年連続チーム得点王に輝いている。残留のかかる最終節大宮戦(6日)で得点すれば、3年連続の可能性もある。達成すれば磐田では94~96年に記録した、90年W杯イタリア大会得点王の元イタリア代表FWスキラッチ以来2度目。目標とするFW中山雅史(41)もなし得ていない偉業となる。
クールなストライカーが、静かに牙を研ぐ。前田は3日のゲーム形式練習で中山と2トップを組み、互いに愚直にボールを追い、ゴールを狙い続けた。今季開幕前に右ひざを手術したため第10節まで欠場。それでも、後半戦16試合だけで全8得点を決めている。最終節大宮戦でゴールすれば、3年連続チーム得点王の可能性がある。
現在9得点でチームトップのジウシーニョを1ゴール差で追うが「意識はしていない。今ウチは戦術的にジウ(ジウシーニョ)とのコンビがほとんどない。だからFW同士のコンビをつくらないと」と、自らのゴールよりも連係面を強調した。
追い続ける偉大な先輩の背中がある。入団した当時は中山と高原(浦和)の2トップがゴールを量産。00~02年の間に2人で96ゴールも記録した。身近な目標を聞かれ「当時で言えば、やっぱり中山さんとタカさん(高原)。マネしようとは思わないけど、いいところは盗もうと思っていた。でも、まったく同じ選手はいないと思っている」。ただひたすら、前田らしく点取り屋として成長を目指してきた。昨季磐田では中山以来2人目となる、3年連続2ケタ得点も記録した。
それでも自身の記録よりも、J1残留がなによりも第1目標になる。「決めれば後ろが守ってくれる」と、守備陣への安心感もある。「まずはチームの力になるためにやるだけ」と、何度も言い続けてきた言葉にウソはない。中山さえも達成できていない偉業は、残留のおまけになってもいい。【栗田成芳】



