横浜DF中沢佑二(30)のユニホーム背中部分の表記名が「BOMBER」となる。19日、都内で行われたJリーグ理事会で承認された。同じ横浜のFW清水範久(32)の表記名は「JIRO」。横浜FCのFW三浦知良(41)が「KAZU」と表記している例はあるが、Jリーグによると、日本人選手で名前の一部以外の愛称がユニホームに表記されるのは初めて。

 中沢が、お気に入りの愛称を背負ってピッチに立つ。19日のJリーグ理事会でユニホームの背中部分に「BOMBER」(ボンバー)と表記されることが承認された。東京V時代から「ボンバーヘッド」と呼ばれる、ボリューム感のあるヘアスタイルだったことから愛称は「ボンバー」。自身のホームページは「BOMBER22.COM」で、ブログの文章は必ず「ボンバー」で締めるほど愛称には愛着を持っている。

 横浜はこれまで、リーグ戦で使用するユニホームでは選手名を表記していなかったが、サポーターから「他クラブではやっているところもある。やってほしい」という声が寄せられたという。クラブ側と選手側が協議し、その話し合いの際、選手側から「ニックネームはダメなのか」という話が持ち上がって、一部選手は愛称をJリーグに申請することになった。

 中沢だけでなく、幕末、明治の俠客(きょうかく)清水次郎長にちなんで選手らから「ジロ」と愛称で呼ばれている清水は「JIRO」で申請した。Jリーグによれば、ユニホームの表記に関する規約は特になく、実行委員会で承認されれば問題ないという。横浜FCのFW三浦知が「KAZU」と表記するなど、本名の一部を入れる表記はあるが、本名とは直接関係ない表記が認められるのは日本人選手では初めてという。「BOMBER」や「JIRO」は背番号の下の部分に入り、選手登録名は中沢も、清水も、本名のままだ。

 中沢は今月14日に、他クラブから好条件を提示されながら、「もう1度このクラブでタイトルを取りたい」と残留を表明した。人一倍ファンを大事にしているだけに、今回の申請もファンサービスの1つなのかもしれない。【今井恵太】