京都の加藤久監督(52)が26日、前代未聞の「ざんげ文」をクラブの公式ホームページに掲載した。24日のファン感謝デーで右足を負傷した同監督は、アキレス腱(けん)を断裂していたことを明かした上で「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪。この日まで静養し、27日午後の練習で現場復帰する。しかし前代未聞の監督の負傷で、3月7日のリーグ開幕戦は松葉づえでの采配となるかもしれない。

 まじめな指揮官だけに、ふがいなく姿を消したことが心残りだった。加藤監督は24日のファン感謝デーで、ミニゲーム前の準備運動時に、右足に異変を訴え病院へ直行。この日、公式ホームページ上でアキレス腱(けん)を断裂、手術した事実を明かし、ファンにわびた。

 「アキレス腱を負傷してしまいました。ファン、サポーターのみなさんにちゃんと挨拶をせずに会場をあとにしてしまったことをお許し下さい。本当に申し訳ありませんでした…」。責任感の強い元早大助教授らしく、800字を超える異例の長文で、ていねいにファンに謝罪した。

 チームはこの日、城陽市内で練習をこなしたが、24日に手術したばかりの指揮官は不在。加藤監督は「27日の昼からはまたグラウンドに立ってリーグ戦への準備を続けます」としているが、アキレス腱を断裂すれば全治まで3カ月以上かかると言われる。

 当面は車いすで練習を指揮する可能性もあり、2月11日からの淡路島キャンプや、3月7日の開幕戦では松葉づえを使用する可能性が高い。戦術指導に影響を及ぼすことも否定できない。選手の負傷は日常的なプロスポーツの世界だが、監督が重傷を負うというのは前代未聞。昨季14位から躍進を狙う京都にとって、いきなり試練を迎えた。【木村有三】