J1清水のFWフローデ・ヨンセン(34)は28日、清水名物の「砂浜ダッシュ」を初体験した。若手選手にもひけを取らない、軽やかな走りを披露し、長谷川健太監督(43)を「さすがにあの年まで、きちっとやっているだけのことはある」とうならせた。練習後には「景色がいいところで走ると気持ちいいね」と余裕の笑顔を見せた。

 ブロンドヘアをなびかせながらビーチを走るヨンセンの姿は軽やかだった。50メートル×6本、100メートル×2本、200メートル×1本の地獄の砂浜ダッシュをフルメニューでこなした。長谷川監督が「避けては通れない道」と称する、地獄のトレーニングにも「休日に過ごすビーチとはイメージが違うけど、いいトレーニングができた。富士山がきれいだった」と笑顔を見せた。

 ヨンセンにとっては、人生初の砂浜ダッシュ。酸欠状態に陥ったり、あまりのきつさに吐く選手も出るほどのハードメニューだ。走り終えた選手たちは「何回やっても、やばいっす。本当に地獄ですね」と口をそろえる。それでもベテランFWは「こういうトレーニングに備えて体を整えてきたから問題ない」ときっぱり。長谷川監督は「フィジカルもメンタルも強い。ポジティブで、すごいなと思う」と絶賛した。

 ノルウェー代表として国際Aマッチで33試合10得点を記録。昨季まで所属していた名古屋では3年連続2ケタ得点の77試合35得点の活躍。それでも、ひたむきさは忘れない。「体力の維持には努めている。そのためには、常に100%でやることが大事。若い選手に負けないようにやるだけ」。今年で35歳になるベテランFWは、お気に入りのクラシックポルシェを軽快に走らせ帰路に就いた。【為田聡史】