<プレシーズンマッチ:清水2-1磐田>◇21日◇日本平

 頼れるエースが魅せた。J1清水FW岡崎慎司(22)が、後半ロスタイムに決勝弾をたたき込み、劇的勝利の立役者となった。磐田との「静岡ダービー」を制し、リーグ開幕戦(3月8日、対大宮)に向け弾みをつけた。今季は副主将にも就任した「オカちゃん」が、今季こそ清水を8年ぶりのタイトルへ導く。一方、磐田は逆転負けを喫したものの、DF那須大亮(27)を中心とした守備に手応えをつかんだ。3月7日の開幕戦はホームで山形を迎える。

 やっぱり、決めたのは岡崎だった。後半ロスタイム、左サイドのMF山本真からのパスをペナルティーエリア付近で受けると、左足を鋭く振り抜いた。「最後だったんで、何も考えずに思いっきり打った」。左足から放たれたボールはゴール右隅に吸い込まれた。劇的ゴールを祝福するイレブンをピッチの中央で両手を広げて迎え入れた。長谷川監督も「逆転して勝ったのは自信になる。岡崎がよく決めてくれた」と称賛した。

 エースとしての貫禄(かんろく)が出てきた。「周りに要求できるようになってきた。ただ裏を狙うだけではダメなときもある」。試合の流れを読みながら、状況に応じたプレーでチームをけん引した。それでも、「結果を出すことで周りの信頼が得られる。そのためにも、結果を出し続けないといけない」と、慢心はは一切ない。

 ヨンセンとの新コンビも順調な仕上がりを見せた。「(ヨンセンは)気を利かして動いてくれる。コンビネーションは良くなってると思う」と手応えを口にした。鹿児島キャンプでも同部屋だった2人のコンビで好機を演出した。この日は連携からのゴールこそ生まれなかったが、相手の脅威になることを十分に示した。

 プロ入り後初となる「開幕スタメン」など、もはや目標ではない。「開幕ゴール?

 もちろん狙いたいですね。チームに勢いをつけたい」。進化し続けるストライカー-。開幕に向け準備は整った。【為田聡史】