<J1:清水1-1柏>◇第7節◇25日◇アウスタ

 日本代表FWの清水・岡崎慎司(23)が得点ランキングで日本人トップタイに浮上した。柏に先行されて迎えた後半32分、細かくパスをつなぎ、最後は滑り込みながら右足で同点弾を流し込んだ。これで今季7戦4発。初の2けた得点(10)をマークした昨季以上の勢いを見せている。6月にW杯アジア最終予選を控える岡田ジャパンのレギュラー争いに向けて、いいアピールになった。

 水しぶきを上げながら岡崎がゴール前に滑り込んだ。後半32分、ゴール前でショートパスをつなぎ、相手DFラインの背後に抜け出した。「強いシュートじゃなくて、流そうと思った」と、冷静に相手GKの動きを見ながら、右足で流し込みネットを揺らした。

 16日に23回目の誕生日を迎えた。「去年より、いい年にしたい」と気持ちを新に臨んだ磐田戦は無得点に終わり、チームも完敗。「まだまだ自分は未熟です」と、シュート1本に終わった自分を責めた。この日もシュート数は2本だったが、値千金の同点弾。それでも、勝てなかったことに「それぐらいしか(見せ場は)なかった」と口元を引き締めた。

 泥くさく、走り回ってゴールを狙う。自分のスタイルを確立した昨季、10得点を残した。そのスタイルにさらに磨きをかけて、今季は7戦4発。オフから何度も口にするようになった「日本代表レギュラー」に向けて、1歩ずつ着実に前進している。

 「代表に行くだけじゃなくて、試合に出ることで成長できる」。本大会出場のかかる6月のW杯アジア最終予選はチャンスだ。「タイプがかぶる部分もある」と評する浦和FW田中達が左もも裏の腱(けん)を痛め、復帰メドが立っていない状況。ボルフスブルクFW大久保もクラブでの出場機会に恵まれていない。

 普段から「チームで結果を出すことが代表にいっても意味を持ってくる」と話し、この日もチームの連敗を阻止した。今季の清水の全得点を独りでマークしており、エースの座を確固たるものにした。シーズン前に掲げた「得点王」という目標に向かっても順調な滑り出しだ。清水のエースから日本のエースへ。岡崎の挑戦はこれからも続く。【為田聡史】