大分のシャムスカ監督(43)が解任されることが濃厚になった。4日のホームでの千葉戦に敗れ、90分試合ではJ1のワースト記録を更新するリーグ13連敗。試合後、原靖強化部長(42)が「根本的に変えないとまずい」と、解任を示唆した。05年9月から大分の指揮を執り、昨季はナビスコ杯初優勝に導くなど、「シャムスカ・マジック」と、その手腕は高く評価された。しかし、今季は相次ぐ故障者の影響もあり、最下位に低迷している。

 我慢の限界だった。シャムスカ体制を支持してきた原強化部長だが、J1ワーストのリーグ13連敗には擁護する言葉もなかった。試合後に「辛抱強く、信頼している間に13連敗もしてしまった。根本的に考えないといけない。これじゃサッカー、クラブ自体の将来がない。何らかの決断をしないと。解任?

 それも含めてこれから話す。動きがあるなら早い方がいい」と険しい表情で話した。

 今季は主力の相次ぐケガに泣かされ、低迷が続く。シャムスカ体制の見直しをここまで引き延ばしたのも「戦力が整っていない」が大きな理由だった。しかし、この日はFW高松が復帰し、ウェズレイと本来の2トップを組んだ。しかし、得点は高橋の1ゴールだけ。内容的にも完敗で「戦力不足」も理由にならなくなってきた。

 シャムスカ監督はこの日も進退問題について「進退問題というより、目の前に厳しい状況が直面している。乗り越えていきたい」と前向きに話した。しかし、溝畑宏社長(48)も「多くの人の期待と夢を背負っている。大胆な決断を取るときもある」と予断を許さない状況を示唆した。

 05年9月に就任し、J2降格寸前のチームを立て直し、J1残留に導いた。昨季はナビスコ杯初優勝を飾り、リーグでも過去最高の4位となった。偉大な功労者がわずか1年で迎えたどん底。ここからJ2陥落を阻止するために、クラブが大きな決断を下す時が迫ってきた。