<J1:清水1-0京都>◇第22節◇19日◇西京極清水はMF藤本淳吾(25)の活躍で、京都に1-0と競り勝った。得意のFKから、昨年4月2日の浦和戦以来504日ぶりのゴール。ACL出場権(3位以内)を狙うチームに、アウェーで貴重な勝ち点3をもたらした。

 左利きのファンタジスタがチームを救った。0-0で迎えた後半34分、相手ゴール前中央(22メートル)からのFKを獲得すると、藤本はMF兵働に「蹴らせて」と直訴。ボールをセットした。左足から放たれたボールは、ゴール右隅に吸い込まれた。「監督から『1点決めてこい』と言われていた。狙い通りです」と久々の感触に笑顔を見せた。

 値千金の決勝弾だった。猛暑が続く夏場の中2日での試合は、選手の疲労が目立っていた。細かいミスが目立ち苦しんだ。前線の岡崎、ヨンセンの2トップは孤立し、得意のパスワークは影を潜めた。相手のカウンター攻撃をなんとかしのぎ、辛抱強く好機を待った守備陣の奮起にも応えた。

 次節は通算300勝を達成し、勢いに乗る磐田をホームに迎え撃つ。絶対に負けられないダービーを前に、頼りになる男が帰ってきた。【為田聡史】