<JFL:北九州2-1高崎>◇後期第16節◇23日◇高崎市浜川競技場

 創設9年目のニューウェーブ北九州が、Jリーグ入りを決めた。Jリーグ準加盟の北九州はアルテ高崎を破り、1試合を残して昇格条件の4位以内が確定。シーズン終了後のJリーグ臨時理事会で正式にJ2入りが承認される。九州リーグだった07年に元日本代表の与那城ジョージ氏(58)を監督に招聘(しょうへい)し、わずか3年で悲願達成。全国18の政令指定都市で唯一プロスポーツチームを持たなかった北九州市に、待望のJクラブが誕生した。

 Jリーグ入りを決める終了の笛が鳴ると、北九州イレブンはピッチの中で抱き合った。与那城監督がサポーターのもとに走る。「Jリーグ!

 Jリーグ!」。チームとスタンドの歓喜が爆発した。苦しんだ末に、全国37番目、九州で5番目のJクラブが誕生した。

 9月に徳島から移籍したFW大島がヘッドで先制。MF佐野がPKで加点した。ところが、1点を返された後は防戦一方。何とかしのいで勝ち、与那城監督は「選手を信じていた。僕のサッカー人生でも最高の瞬間」と笑った。

 重化学工業で栄えた都市だけに、企業が衰退すると町も元気をなくした。クラブスポーツの確立を目指してチームを立ち上げたのは01年。「準備期間を入れると10年間。すべての苦労が吹っ飛びました」と、原憲一GMは涙で話した。

 現在の年間予算3億円弱は、J2昇格で4億円程度になる。ホームの本城陸上競技場は改修が始まり、5年後をメドに専用の新スタジアム建設計画もある。

 広島、新潟などで活躍したMF桑原主将は「最初は土のグラウンドで、練習も夜だった。それが、Jリーグまでたどり着いた。このチームには、まだまだ伸びしろがあります」と、J2での活躍を誓った。