仙台太田望みつなぐ敵地弾/ナビスコ杯
<ナビスコ杯:磐田2-1仙台>◇準々決勝第1戦◇1日◇ヤマハ
初の決勝トーナメント(T)に挑んだ仙台が、磐田に1-2で敗れて初戦を落とした。前半32分に先制点を献上し、同34分にも追加点を奪われる苦しい展開。それでも、後半31分に元磐田のFW太田吉彰(27)が追撃弾をゲット。古巣から貴重なアウェーゴールを奪い、準決勝進出の望みをホームの第2戦(8日)につなげた。
かつての本拠地で、痛快な健在アピール弾を決めた。プロ初のキャプテンマークを巻いて太田が先発。MF梁のFKをJ1初出場のDF細川が右から頭で折り返し、混戦のゴール前で太田が誰よりも早く反応した。右足を振り抜き、笑顔で駆けだす。「状態が悪くても最後に決めるのが磐田時代のオレ。ヤマハで思い出すことができた」。03年のプロデビューも04年の初得点も記録した地で躍動した。
磐田時代、遠征先でよく同部屋になり、プロの心得を教えてくれた元日本代表GK川口から奪った。試合後「川口さん相手に決められてうれしい」と太田が話していると、通り掛かった川口から肩をたたかれ「ヨシ、やられたよ」とねぎらわれた。ほかの元同僚からも「(泥くさい得点が)ヨシらしい点だね」と言ってくれた。
敗戦に光を差した。4試合連続完封中だったナビスコ杯で5戦ぶりに失点。前半32分に左クロスから右サイドのMFジウシーニョをフリーにして先制弾を献上した。さらに2分後、MF西に約25メートルのミドルシュートを許す。守備2枚が寄せながら、その間を射抜かれるなど嫌なムードだった。
さらに、点が欲しい後半に負傷禍の両サイドバックを下げる苦しい展開。重なる悪条件下で価値ある1発だった。太田が同期の分も燃えた。同じ02年入団の磐田DF加賀が、7月に頸椎(けいつい)骨折。黄金時代の磐田では練習にも入れず、2人だけで汗を流した日々もある。今季のリーグ開幕戦ではユニホームを交換し、再戦を約束。かなわなかったが、試合前夜に太田が「お前の分まで頑張るわ」と電話していた。
ブーイングも拍手も浴びた太田は「紅白戦みたいでした」と笑顔。古巣に恩返しのアウェーゴールを見舞い、8日の第2戦を有利にした。手倉森監督は「非常に大きな1点。ホームで、ひっくり返します」。太田も「得点だけじゃなくプレーでも喜ばせたい」と自信を取り戻した。【木下淳】
[2010年9月2日12時1分 紙面から]
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