浦和が、来季獲得を目指す福岡大FW永井謙佑(21)に、エースストライカーの背番号「9」を用意していることが19日、分かった。クラブ側はW杯南アフリカ大会で日本代表のサポートメンバーを務め、12年ロンドン五輪、14年W杯ブラジル大会での活躍が期待される永井を将来のエース候補として高く評価。東京、名古屋との獲得レースを制するため、エースの称号を用意して最終交渉に臨む。

 9番は、95年に得点王に輝くなど活躍した「ミスターレッズ」ことFW福田正博(現浦和コーチ)が、6年間背負った番号。福田引退の翌03年からFW永井雄一郎が引き継ぎ、09年に永井が清水に移籍してからは空き番になっていた。選手やサポーターにとって思い入れの強い番号だけに、永井への誠意と期待の大きさがうかがえる。柱谷GMは「既に永井君には9番をつけたらどうかと伝えてある」と明かした。

 永井は大学を卒業する来春にプロ入りする。8月上旬までにオファーを受けたJ8クラブの中から浦和、東京、名古屋に絞り込み、8月中旬までに3クラブの練習に参加した。当初は「9月中旬までに決めたい」と早めに進路を定める予定だったが、今シーズン終盤の戦いぶりや来季の体制などを見極め、慎重に判断する考え。浦和側は大学リーグ戦などにスカウトを派遣して状況把握に努めているが、現段階では3クラブが横並びの状態だ。

 柱谷GMは「近いうちに本人と会って、話を聞きたい」と交渉の大詰めを迎えて再度、直接出馬する考え。エースの称号を持参した猛アピールで、永井のハートを射止めるつもりだ。