<J1:大宮3-1湘南>◇第28節◇10日◇平塚

 J2降格ピンチの湘南が反町康治監督(46)に来季契約延長のオファーを出していることが10日、分かった。降格チームの監督が引き続き指揮を執るのは異例だが、クラブ側は早くから同監督の指導力を評価して続投を要請。正式契約はシーズン終了後になりそうだが、すでに同監督も来季のチーム編成に意見を出すなど前向きとみられる。

 チームはこの日大宮に1-3と完敗。次節14日の清水戦にも降格が決まる。それでも、大倉智強化部長は「来年もやってもらうつもり」と明言した。監督は降格の責任をとる立場だが、今季低迷の原因は明白。選手補強が進まない上に、シーズン中に12人が手術するなど故障者が続出したためで「監督の責任ではない」と大倉部長は話した。

 反町続投は、チーム立て直しのカギでもある。真壁社長は「昨季無理してJ1に上がったのは、チームが忘れられないため。今度はJ2で若手を育て、J1で戦えるチームにしたい。そのためには反町監督のサッカーを教える力が必要」と長期間にわたって指導を託したい思いを口にした。

 反町監督は「まだ何も決めていない。そういう状況でもない」と言ったが、大倉部長は「こちらは、その(続投の)つもりで来季の話をしている」とした。過去のJには、1年目に昇格し、2年目に降格した監督が3年目の指揮を執った例はないが、反町監督が初のケースとなりそうだ。