【アムステルダム(オランダ)12日(日本時間13日)=為田聡史】オランダ1部リーグ名門アヤックスとの東日本大震災復興支援マッチを翌日に控えた清水が、試合会場のアムステルダム・アレナを訪れた。見学だけだったが、5万観衆を収容する巨大開閉式スタジアムにイレブンは興奮状態。名門との一戦だけでなく、23日のリーグ戦開幕に向け最高の刺激剤になった。支援マッチは日本時間14日未明にキックオフ。
自然にモードが切り替わった。最終調整の会場はアヤックスの練習場だ。さらに、練習前には世界的なスタジアムの1つでもあるアムステルダム・アレナのピッチに足を踏み入れた。Jクラブの選手としては初めての経験だ。ビルのようにそびえ立つ巨大な建物は、高速道路の出口と直結。開閉式の屋根を駆使して養生した緑の芝生が目に飛び込んできた。振り返れば5万人以上を収容するスタンドが迫ってきた。FW大前は「めちゃ、すごい。やっぱり、本場だからね」。FW高木も「鳥肌もの。スタジアムに圧倒されました」と、目を丸くした。
簡単にはピッチに入らせてもらえなかった。この日立ち入りが許可されたのは、ゴールラインの外側のみで、芝の感覚を確かめる程度で終了した。スパイクを履くことも、ボールを使うことも許されなかったが、雰囲気を味わえたことで、選手のモチベーションは急上昇した。
その直後の練習はオランダ入り後、最初で最後の本格トレーニングとして、約1時間行われた。MF小野伸二(31)から「集中しろ!」とゲキが飛ぶなど「異国情緒」に触れていた雰囲気から、戦闘モードに突入した。FW大前元紀(21)は「日本人もこれだけやれるというのを見せつけたい」と、闘志を燃やした。
慈善試合とはいえ、サッカー選手として成長するためには絶好のチャンスだ。FW高原直泰(31)が「そんなに力の差はないと思うし、日本のクラブとして、こんなところで試合をやる機会はなかなかない。若い選手には、この雰囲気を肌で感じてほしい」と、自身の海外経験を踏まえてアドバイスを送った。若手も敏感だ。DF岩下が「どこまで通用するかチャレンジしていきたい。そのためには、まずはベストを尽くして戦う」と、宣言すれば、高木も「見ている人を驚かせるプレーをしたい」と意気込んだ。
オランダの人々の復興への祈りを、日本に届けるのが遠征の大きな目的なら、もう1つの目的はサッカー選手としてかけがえない経験を積むことだろう。3泊5日の強行軍には、間違いなくその要素がたっぷりつまっていた。リーグが再開する23日福岡戦へ向けて刺激的な舞台だった。
◆アムステルダム・アレナ
開閉式の屋根が設置されたサッカー専用スタジアム。高速道路からは専用インターチェンジで直接、1階の駐車場に入ることができる。2階にはレストランなどがあり、3階がグラウンドとなっている。サッカー以外にもコンサートや展示会などが開催されることもある。収容人数は5万1859人で96年に完成。00年の欧州選手権では予選リーグの3試合と決勝トーナメント2試合が行われた。



