日本プロサッカー選手会は11日、千葉市のフクダ電子アリーナで、Jリーグのクラブから戦力外通告を受けた選手を対象とした合同トライアウトを実施し、元日本代表MF三都主アレサンドロ(35=名古屋)やFW福田健二(35=愛媛)ら20歳から37歳までの84選手が参加した。三都主はミニゲームでアシストを記録するなど好プレーを披露。「何もなかったら引退するしかない」と強い覚悟をにじませた。

 プライドをかなぐり捨ててでも、現役続行にこだわった。トライアウトの注目の的は、かつて日本代表として歴代7位の82試合に出場した“あの”三都主だ。参加84人の中でも別格の経歴を持つサイドアタッカーは「無所属」の一選手としてピッチに立った。「(カテゴリーの)希望はないし、JFLでも考えられる。何もなかったら引退するしかない」。名古屋を戦力外になった直後だが、堂々たる覚悟で猛アピールした。

 「まだやれる自信がある」。その言葉に偽りはなかった。11月24日に負った左内転筋肉離れの影響を感じさせない、切れ味鋭い動きを披露した。7対7のミニゲームでは、左サイドでボールを持つと相手のスライディングをいとも簡単にかわし、ゴールラインぎりぎりの位置から中へグラウンダーのクロス。ゴールを演出した。30分間で行った11対11の試合形式には左サイドバックで出場。パスを受けると同時に中央突破を仕掛け、手薄になった左へボールを回すなど持ち味の攻撃参加で存在感を示した。「(年齢的に)引退してもおかしくない。でも自分はまだサッカーをやりたい」。大歓声の中で日の丸を背負ってきた男は、声援も罵声もないピッチ上でも変わらぬプレーをみせた。

 とはいえ、甘くはないのが現実だ。現時点で他クラブからのオファーに関しては「まだ何も聞いていない」。近しい関係者や名古屋側によれば「ちらほら話は聞いたことがあったけど、現在は白紙同然」だという。35歳という年齢もあり、条件面で折り合いがついていないとみられる。三都主も「(移籍先を)早く決めたいというのはある。焦りはないけど…待つしかない」と本音を漏らした。新天地での再スタートか、引退か-。大きな岐路に立たされた。【湯浅知彦】

 ◆三都主(さんとす)アレサンドロ

 1977年7月20日、ブラジル・パラナ州マリンガ生まれ。高知・明徳義塾高に留学し97年に清水入り。99年にはJリーグMVPを獲得。01年11月に日本国籍を取得し翌02年に代表デビュー。日本代表として02年日韓、06年ドイツと2大会連続W杯出場。国際Aマッチ通算82試合7得点。04年に浦和移籍し07年はザルツブルクでプレーしたが08年に復帰。09年夏に名古屋へ加入。今季リーグ戦5試合無得点、J1通算353試合67得点。178センチ、69キロ。血液型A。