<J1:清水1-0仙台>◇第18節◇26日◇アウスタ
清水が開幕から12戦負けていない仙台に黒星をつけた。均衡を破ったのは後半36分、DF太田宏介(23)のクロスをFWアレックス(27)が左足でゴールした。これまで仙台が勝つことのできない「アウスタ日本平の伝説」は本物だった。清水は16日間5試合を行う過密日程を3勝1分け1敗の数字以上に、最高の形で締めくくった。
我慢の末に「その時」はきた。後半36分、DF太田が清水ベンチ前から中央へクロス。相手DF陣の間を抜く絶妙な軌道の先に、FWアレックスが走りこみ左足で流し込んだ。沈黙を破る値千金の1発が、すべてのフラストレーションを吹き飛ばし、チームに集中力をもたらした。守備陣はGK碓井を中心に相手の猛攻をしのぎきった。攻撃陣も前線を走り回り相手へプレスをかけ続けた。村松-山本真は忠実なプレーを最後まで継続。16日間で5試合の超過密日程の最終戦。熱帯夜のアウスタでエスパルスが今季Jクラブで初めて仙台に土をつけた。
フラストレーションとの戦いだった。前半は我慢の時間が続いた。序盤からボール支配率では相手を圧倒。DFライン付近では何本ものパスをつなぎ、前線へ供給するタイミングをうかがった。村松-山本真のダブルボランチはバランスを保つことに終始。だが、前線への経由役にはなれず攻撃の迫力は迫力どころか厚みも欠如した。さらに、守備を固めカウンターを狙う、相手の戦術もボディーブローのようにイレブンを苦しめた。
だが、組織サッカーを目指すゴトビ・エスパルスにとって焦りは致命傷になる。ハーフタイム、指揮官の指示は(1)ゴールキックはなるべくつなげ(2)ダブルボランチを経由してサイド攻撃を仕掛けろ(3)相手のカウンターを注意しろ。ゲームマネジメントの重要性を選手たちに再度、確認した。ただ、それは当然「引き分け狙い」を意味するものではない。開幕から12戦無敗の仙台を倒す-。そのための一戦だった。
指揮官は「この試合は私の勝利ボーナスを被災地に送りたい。だから、私はベストを尽くして戦う」とひそかに誓っていた。後半に入り、FW高木、MF小林、FW永井の攻撃的選手を相次いで投入した。キーマンを続々送り込むゴトビ流も定着。勝利に結び付くようになった。



