J1首位を走る柏のFW大津祐樹(21)が、ドイツの名門ボルシアMGへ移籍することが確実となった。5日に日本を出発し、チームの医療スタッフからメディカルチェックを受けて正式契約の運びとなる。過去に故障で長期離脱していたこともあり、現地で1週間ほど、入念にチェックを受けるという。

 また1人、日本人が戦いの場をドイツへ移す。柔らかいボールタッチと、名古屋DF闘莉王やシャルケDF内田といった、日本代表クラスの選手を切り裂いたドリブルを、ボルシアMGサイドは高く評価。大津のプレーを映像で確認し、獲得へ動いた。

 08年に高卒Jリーガーとしてデビューし衝撃を与えたが、常にケガとの闘いだった。プロ2年目の09年こそ33試合に出場したが、昨季開幕前に負傷し戦線離脱。チームに復帰するも、7月にまたも負傷と、復帰と離脱を繰り返していた。出場9試合で得点は1。圧倒的な強さでJ2を制したチームに乗り遅れていた。

 今季は開幕戦にフル出場すると、豊富な運動量でチームを支えた。今年3月にはロンドン五輪を狙うU-22日本代表にも選出された。同世代の活躍も刺激になり、以前から抱いていた海外挑戦という目標に、1歩ずつ近づいていった。

 ボルシアMGサイドは、大津がケガで苦しんでいたことを考慮し、1週間かけてメディカルチェックを行う。今季は故障もなくプレーを続けているため、契約に障害はなさそうだ。メディカルチェックを通過した段階で移籍金を含め、契約内容をつめる。

 この日の2部練習に参加した大津はハードなフィジカルメニューもこなし、練習後にはネルシーニョ監督やシジマールGKコーチから、肩をたたかれ送り出された。