<ナビスコ杯:名古屋5-3新潟>◇準々決勝◇5日◇瑞穂陸

 名古屋が3年目のFW橋本晃司(25)のプロ初ゴールで、新潟との120分の大激戦を制し4強入りした。決勝ゴールの橋本は石川・星稜高で本田圭佑(25=CSKAモスクワ)明大で長友佑都(25=インテルミラノ)と同級生。2人とともに主力としてプレーしてきた逸材が、ようやくスポットライトを浴びた。

 降り続く雨が心地よい祝福のシャワーになった。名古屋の橋本がプロ初ゴールで大乱戦に終止符を打った。途中出場から延長後半9分、永井からのクロスを右足で滑り込みながら合わせてネットに押し込んだ。

 「やっと決まった。とにかくゴール前に飛び込んでいこうと思った。永井からいいボールが来たんで決めるだけでした」

 星稜高で本田と、明大では長友と一緒に主力で活躍。かつては現日本代表の主力で欧州でも活躍する2人に負けない力を発揮していた。出番に恵まれず腐っていたプロ1年目には「高校でも大学でもオレの方が先にレギュラーだった。大学でオレが試合に出てた時に長友はスタンドで太鼓をたたいてましたからね」と強がったこともあった。

 だが現実は厳しかった。層の厚い名古屋でサッカー人生初の控え暮らしになじめず鳴かず飛ばず。ただ、3年目、背水の今季は言動もプレーも大人になった。同級生2人には大きく置いて行かれた。それでもここが出発点だ。「結果を出し続けないといけない」。プロとしての気構えは同級生と同じ。橋本も、ようやくスタートを切った。【八反誠】