札幌のFW前田俊介(25)が、かつての指揮官に成長した姿を見せる。22日、札幌・宮の沢で行われた練習ではレギュラー組のワントップで多彩な攻撃の形を披露。開幕から3戦連続の先発の可能性が高まった。24日にホームで対戦する浦和のペトロビッチ監督(54)は広島時代の指揮官。結果を出せず07年6月に大分に期限付き移籍した経緯があり、「何もない」と多くは語らないが「ゴールもそうだし、チームが勝てば」と強い気持ちを胸に宿す。

 天才が目覚めの時を迎えている。開幕磐田戦は連係に課題を残したが、17日の神戸戦は、得点にこそ絡めなかったが、再三チャンスを生みだし、攻撃の軸としてフル稼働した。試合後、石崎信弘監督(54)が「やっぱりワシの目に狂いはなかった。天才じゃったろ」と絶賛したように、揺るぎない信頼感を勝ち取った。前田は「意思統一はできている。少しずつ良くなっている」と成長を口にした。

 浦和対策は万全だ。この日の練習前のミーティングでは、ビデオで浦和の戦術をチェックし、イメージを作り上げた。「広島みたいにつなぐサッカー。後ろでつないでくるのでそこを狙っていく」と活路を見いだしている。

 チームはナビスコ杯を含め3戦勝ちなし。勝利に飢えている。「早めに勝たないとずるずるいく。結果を出したらほめられるし、ダメならたたかれる。いい結果を出してほめられるようにしたい」。自覚を胸にエースが、初勝利をたぐり寄せる。【松末守司】