<J1:G大阪2-2鹿島>◇第27節◇29日◇万博

 G大阪の点取り屋FWレアンドロ(27)が、独り舞台を演じた。ホームであっさり先制を許すと、前半25分に加地のスローインから同点弾。その後勝ち越しを許し、敗戦濃厚の後半ロスタイムにも再び加地のクロスを左足で決めた。

 27日に長男フィリオ君が誕生したばかりの最強ブラジル人は、ゆりかごダンスを披露し「残念ながら勝利で祝うことはできなかった。でもゴールを取れたことがうれしい」と優しい笑みを浮かべた。

 もう残留の望みは、レアンドロに託すしかない。7月下旬に加入後は8戦11発で、出場した試合は無傷の4勝4分け。それでもまだ、J2降格圏16位から抜け出せないでいる。この日もGK藤ケ谷が痛恨のファンブルで2失点目。攻撃もレアンドロ以外は効果的な動きが少ない。同じく途中加入のDF岩下は「勝つには失点を減らさないといけない。点を取る力はあるのだから。もっと体を張らないとダメだ」と危機感を抱く。

 残り7戦。リーグ戦はカウントダウンに入った。J1残留圏の15位大宮とは勝ち点2差で、厳しい状況は続く。

 松波監督は「前半はリズムが出なかったが、最後まで諦めない気持ちを見せることができた」と前を向く。だが引き分けで満足しているようでは、J2降格の不気味な足音は増すばかりだ。【益子浩一】