<J1:清水0-0大宮>◇第34節◇1日◇アウスタ

 試合終了と同時にうつむく清水イレブンが、試合を物語っていた。4連敗は避けたものの、今季最終節のホーム戦で無得点のまま大宮と引き分けた。サポーターが待ち望んでいた勝利のダンス「勝ちロコ」も踊れなかった。試合後のセレモニーでMF杉山浩太主将(27)は「ホームで勝てなくて申し訳ありません」と深く頭を下げた。

 1点が遠かった。前半3分、FW金賢聖(23)がオーバーヘッド。同32分にはFW大前元紀(22)のクロスにDFカルフィン・ヨンアピン(26)が頭で合わせたが、枠を外した。後半に入っても攻撃の手を緩めず、大宮の3倍以上となる14本のシュートを放ったが、最後まで歓喜の瞬間は訪れなかった。FW大前は「最後の精度とアイデアが足りない…」と唇をかんだ。

 今季は14勝7分け13敗の9位で終了。何とか勝ち越したが、目標のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を逃した。ナビスコ杯でも、タイトル目前で鹿島の前に涙をのんだ。それでも杉山は、最後に「まだ天皇杯がある。もう1度このメンバーでサポーターの皆さんと一緒にタイトルを狙わせてください」と訴えた。残された今季最後のタイトルを目指して天皇杯を全力で戦う。【前田和哉】