昇格助っ人に名を残す!

 J2札幌は今日7日、岡山・kankoスタジアムで岡山と対戦する。5戦ぶりに先発復帰するFWテレ(23)が、日本での公式戦初ゴールを誓った。右肩捻挫で出遅れた分を挽回するとともに、18位に沈むチーム浮上のきっかけを作る。

 待ち切れなかった。6日、札幌・宮の沢での練習でミニゲームの開始が指示されると、ゴールを肩にかついで移動させる輪に、全力疾走で加わった。「自分の力を最大限発揮して、ゴールという結果を出します」。1つ1つの言葉をかみしめ、決意を込めるように助っ人が話した。

 開幕から2戦目の栃木戦の試合中に右肩を捻挫。4週間も試合から遠ざかった。「試合に出られず、とても悔しかった」とテレ。その間の4試合で1勝3敗と、チームも好調とは言い難い状況だったが、出場機会は回ってこなかった。

 「今週は使ってもらえる努力をしました」。遠征メンバーを決める紅白戦では前線からボールを奪いに行き、相手守備陣をかき回した。「練習からいい動きだった。あの迫力でボールを追ってくれれば、相手DFも嫌がるだろう」と、財前恵一監督(44)も納得の動きで、5戦ぶりのスタメンに大きく近づいた。

 札幌がJ1昇格を決めた過去4シーズンのうち、3回は外国人選手がチーム得点王。テレの活躍は、昇格の必須条件でもある。試合会場は爆弾低気圧によるピッチの悪化も懸念されるが、ブラジルでも悪天候下の試合は経験済み。「ピッチの泥でボールが全く動かず、空中戦ばかりの試合もしたことがあります」。4週間分の悔しさを岡山戦にぶつけ、チームと自分を上昇気流に乗せる。【中島洋尚】

 ◆札幌昇格年のチーム得点王

 97年FWバルデス40点、00年FWエメルソン31点、07年FWダビ17点、11年FW内村圭宏12点。優勝して昇格した97、00、07年はすべてブラジル人助っ人FWが最多得点を挙げている。助っ人FWがチーム得点王になったのは過去9シーズンあり、J1では98年バルデス21点、01年ウィル24点、08年ダビ16点の3人。下部リーグでは6度あり、昇格を逃したのは06年(フッキ25点)と09年(キリノ19点)の2回のみ。