磐田は1日、磐田市内で、5日のホーム仙台戦に向け練習を行った。前節C大阪戦で、左足ふくらはぎ痛から2試合ぶりに先発復帰したMF山田大記(24)は、元気にフルメニューをこなし、思い切りのいいシュートを連発した。泣いても笑っても残り7試合。背番号10は「やることは1つ。あきらめる選択肢すらもっていない」と次戦を見据えた。

 残留のためにはもう、負けは許されない。絶体絶命のピンチではあるが、戦術練習では各選手がパスなどお互いの要求を積極的に声に出し、活気ある練習が続けられた。山田は前日30日に数人のチームメートと食事し「雰囲気の部分は大事にしよう」と話し合ったという。「暗くなりがちな状況だからこそ(声を出そうと)意識していました」と振り返った。

 鹿島戦(9月21日)前に左ふくらはぎを痛めた。筋力トレーニングや体のケアには人一倍気を使っており、自宅でもこだわりのトレーニング器具を置いている。今年はこれまで大きなけがはなく全試合出場を続けていたが、鹿島戦は大事をとって欠場した。残留争いが激化する時期でのけがに「すごく申し訳ない」と責任を感じていた。しかし、前節C大阪戦では2試合ぶりに先発復帰しフル出場。この日も全メニューをしっかりこなし「もう大丈夫です」と力強かった。

 次戦はホームでの仙台戦だ。「攻撃は質を上げたりイマジネーションを共有することが大事。前回の対戦ではカウンターをたくさんくらってしまった。攻めてる時もバランスを考えなくては」と攻守のバランスに意識を置く。

 山田は「中にいても、もういいや、という選手は誰もいない。あきらめる選択肢すらない」。あきらめない決意を表現するためには勝利しかない。「やれることを全力でやって結果を出せるようにしたい。こういう苦しい状況の中で、人間の真価が問われると思っている」と話した。【岩田千代巳】