<J1:広島3-1清水>◇第28節◇5日◇Eスタ
2連覇を狙う広島が3連勝で首位に返り咲いた。後半途中出場のMF野津田岳人(19)が勝ち越し&ダメ押し弾で、清水に逆転勝ち。初の1試合2発の野津田は、今日6日開幕の東アジア大会(中国)に出場するU-20(20歳以下)代表に選ばれており、将来のA代表候補が実力を発揮した。首位横浜が甲府と引き分けたため、得失点差で2位広島が8月24日以来6試合ぶりに首位浮上した。
2連覇を目指す広島が再び首位に立った。立役者は19歳の野津田だった。1-1で迎えた後半34分に豪快なミドルシュートで勝ち越しを決めると、ピッチに滑り込んで大きくガッツポーズ。その9分後の終了間際にはGKとの1対1を冷静に決めた。初の1試合2発で本拠地Eスタを沸かせた野津田は「ピリっとした状況の中でチームに貢献できた」。いずれも黄金の左足からだった。
後半26分に先制点を奪われたが、同31分にDF塩谷司のミドル弾で追いつくと、同17分から途中出場していた野津田は続いた。「やってやるぞっていう気持ちだった。(佐藤)寿人さんにも『打ってけ』と言われていた」。
前節鳥栖戦では野津田の成長を促したい先輩たちの配慮でPKを任され、それに応えた。周囲の期待を胸に2戦連発、今季15試合で4得点だ。「やっと自分らしいシュートを打てた。ボール持ったらシュートを打つと試合に入る前から決めていた。思い切り打ったらゴールを決める自信はある」。
広島ユースの至宝として高3だった昨季は、2種登録で5試合に出場した。プロ1年目の今季は、1次リーグ敗退を喫したACLでも厳しいアウェーを経験。森保監督は「岳人のゴールに向かう思い切りが良かった」。エース佐藤も「この時期にこういう逆転勝ちをできるのはチームにとって大事」と手放しで喜んだ。
開幕前の新入団会見では「生涯広島」を誓った武骨な広島人。プロ野球で沸く広島県で、もう1つのプロスポーツも負けてはいない。次節19日は横浜との首位決戦。今日6日からU-20代表として東アジア大会(中国)に参加する野津田が、2連覇への秘密兵器になる。【辻敦子】
◆野津田岳人(のつだ・がくと)1994年(平6)6月6日、広島市生まれ。ジュニアユース、ユースと広島下部組織育ち。12年高円宮杯でユース3連覇に導き、2年連続でMVPを獲得。昨年は2種登録でJ1に5試合出場。U-15から19まで各世代日本代表。愛称は「ガクト」。175センチ、68キロ。



