清水が29日、三保グラウンドでJ2東京Vと今季初の練習試合(45分×2本、30分×1本)を行い、0-2で敗れた。主力組が出場した60分間も0-0の引き分けに終わったが、4年ぶりに復帰したFW長沢駿(25)が、最前線で存在感を示した。

 センターFWで先発すると、1本目の10分。FW高木俊幸(22)の左クロスから、ポスト直撃の豪快なヘディングシュートを放つ。同28分にもFW大前元紀(24)のFKに頭から飛び込み、2本目の7分にはDF吉田豊(23)の右クロスを三たび頭でたたいた。ネットこそ揺れなかったが、191センチの体格を生かした自慢の「高さ」を存分に発揮。約800人のサポーターに期待感を抱かせた。アフシン・ゴトビ監督(49)も「駿は驚きを与えてくれた」と絶賛した。

 長沢は、11年からJ2熊本、京都、松本への期限付き移籍を経て復帰。3年間の武者修行で成長を遂げたストライカーに、今季クラブが用意した背番号は「9」だった。長沢は「長い目で見てくれていたクラブには感謝している。成長した姿を見せたい」と話す。

 この日、その片りんを見せた一方で、決めきれない課題も残った。定位置争いには、スロベニア代表のFWノバコビッチ(34)も君臨する。それだけに「こういう与えられたチャンスで結果を残さなければいけない立場。点を取りたかった…。結果を残せるように、1つ1つを大事にしていきたい」と足元を見詰め、翌日から再び始まるトレーニングを見据えた。【前田和哉】