<J1:名古屋2-3清水>◇第1節◇1日◇豊田ス

 清水は開幕戦で名古屋に逆転勝ちを収め、7年ぶりに白星発進した。前半5分にFW高木俊幸(22)が今季J1「1号」となる先制点で号砲を鳴らすと、1点を追う後半28分にDF平岡康裕(27)が同点弾。最後は、同35分にFWノバコビッチ(34)が決勝点を挙げた。イレブンは、鹿島、横浜に次ぐJ1通算350勝を手に帰静。次節ホーム開幕戦(8日午後3時、アイスタ)は、昨季の同試合で0-5と大敗した横浜を迎え撃つ。

 後半ロスタイム。ゴール前のこぼれ球をFW大前元紀(24)が蹴り上げると、7年ぶりの開幕戦白星を告げるホイッスルが鳴り響いた。清水イレブンは「エスパルスコール」に包まれながら、抱き合って喜びをかみしめた。アフシン・ゴトビ監督(50)は「最後まで諦めなかった選手がつかんだ勝利」と、アウェーでの激戦を笑顔で振り返った。

 勝ち点3への執念が、開幕戦の重圧を上回った。指揮官は「緊張から落ち着いてプレーできなかった」。DF平岡も「自分たちで悪い流れにしてしまった」。前半5分にFW高木俊が幸先よく先制点を奪ったが、ミスから流れを失い、同20分、36分と立て続けに失点。勝ち越しを許した。

 昨季は、開幕から公式戦6戦勝ち無し。1度失点すると歯止めが利かず、惨敗を繰り返した。怒りを爆発させたサポーターにバスを囲まれたこともあった。同じ轍(てつ)は踏めない-。後半のピッチには、昨年までの姿はなかった。

 同28分、右CKを平岡が頭で合わせて同点とすると、同35分にはMF本田拓也(28)の狙いすましたクロスにFWノバコビッチが反応。右足を振り抜き、決勝点をねじ込んだ。

 昨季は23節まで1度もなかった逆転勝ちでの好発進だ。さらに、鹿島と横浜に次ぐJクラブ3番目となる通算350勝も手にした。ゴトビ監督は「この勝利で自信を得たと思う。次は最後まで集中して戦えるようにしていく」。平岡も「この勝ち点3を無駄にしないためにも、次の横浜戦も絶対に負けられない」と、口元を引き締めた。昨季のホーム開幕戦で味わった0-5の屈辱は、ホーム開幕戦で晴らす。【前田和哉】