<J2:札幌3-2岐阜>◇第20節◇28日◇札幌厚別

 J2札幌が、元韓国代表FW丁成勲(34)のロスタイム弾で岐阜を下し、今季初の連勝を飾った。2-2の後半ロスタイム1分に丁がJ初得点を決め、劇的な勝利につなげた。ゴール後はユニホームを脱ぎ、宙に放り投げ警告を受けたが「すいません。でもチームの力になれたことが、すごくうれしくて」と喜んだ。

 腐らずに取り組んできた成果が出た。通算出場4試合わずか26分。この試合は終了3分前に登場して決定的な仕事をした。「出る出ないは自分が決めることじゃない。短くても与えられた時間で仕事するのがプロ。結果が出て良かった」と振り返った。

 期待のオプションが力を発揮した。三上GMは獲得の経緯について「高さと強さはずばぬけている。リードできないときに必要な選手と思った」と話した。代表歴があり、ヘッドの強さも前線でボールを収める技術もあったが、課題は運動量。短時間での爆発が使命だっただけに、クラブの要求に応える1発となった。

 熊本合宿中の2月26日、右足首痛を抱えながら福岡大との練習試合に強行出場し契約を勝ち取った。「生活がかかっているし札幌でやりたかったから」。チームメートから「ヒョン(韓国語で兄)」と呼ばれ親しまれる熱く優しいベテランが、これからもチームのために体を張り、得点を積み重ねる。【永野高輔】