不況の現代において、サッカーチームが胸スポンサーを見つけるのは本当に難しくなってきている。Jリーグのクラブですら、胸の部分がぽっかりと空いたままシーズン開幕を迎えることも、もはや珍しいことではない。そんな中、英国・ケント大学サッカークラブの胸スポが話題を呼んでいる。

 同大では毎年、サッカーの学内リーグを開催している。参加チームのうち「ラザフォード・レイダーズ」に所属する学生が、冗談でポルノ動画投稿サイト「ポルノハブ」のマークを胸に印刷したユニホームを作製。すると、これを見た同サイトが、実際のスポンサー契約をオファーしてきたというのだ。

 学生たちは大喜び- となるはずだったが、快く思わなかった大学側から“イエローカード”が飛び出した。

 すぐさま「学内リーグに所属するクラブは、許可されたスポンサーロゴを使用する責任があり、このようなスポンサー契約は全く持って不適当で、容認はできない」との声明が出され、大学構内で「ポルノハブ」の文字が入ったユニホームを着用した場合、リーグ出場停止処分を科すという警告を受けてしまった。

 学生たちにとってはガッカリの出来事で、大学側にとっても不愉快なニュースだったが、「ポルノハブ」だけはうま味があったように思う。実は同サイト、W杯ブラジル大会の時にも、サッカーを利用して「売名行為!?」を行っているのだ。

 「若いブラジル人が、ドイツサッカーチームにやられちゃった」のタイトルとともに、ドイツが7-1でブラジルをたたきのめしたW杯準決勝のシーンをサイトに表示。「当サイトの陵辱カテゴリーの動画はもういっぱいです。アップロードしないでください」と、ジョークの注意書きを書き加えて掲載した。

 その時も「ポルノハブ」の名前は、英メディアを中心に大きく取り上げられた。今回の胸スポのニュースも、ミラー紙などのタブロイド紙に加え、インディペンデント紙などの高級紙も記事を掲載。実際には大学チームには胸スポ料は支払ってはおらず、タダで、かなりの宣伝効果を得たはずだ。