<欧州リーグ:ドルトムント4-0カラバグ>◇19日◇プレーオフ第1戦◇ドルトムント

 C大阪からドルトムントへ移籍したMF香川真司(21)が、サッカー大国のファンに衝撃を与えた。カラバグ(アゼルバイジャン)戦にトップ下で先発出場。ドイツのゴールデンタイムに生中継される中、先制弾を含む2得点を決めて、4-0大勝の立役者になった。後半にもゴールネットを揺らしたが、判定はオフサイド。“幻のハットトリック”に地元のビルト紙からチームただ1人の最高の評価を得た。

 ドイツ国民を身長172センチの日本人が、魅了した。香川が移籍後初の2ゴールを決めて勢いに乗った。後半も豪快にゴールネットを揺らす。だが判定はオフサイド。ハットトリックは幻となったが、トップ下で先発し同25分に交代するまで、華麗なプレーを連発し攻撃陣をけん引した。

 香川

 キャンプからいい感じで取り組めているので、これを継続したい。最高の雰囲気でできた。(国内)リーグの開幕戦に切り替えて頑張りたい。

 名刺代わりの1発は前半13分だ。利き足とは逆の左足でミドルシュートを突き刺し、先制弾となる公式戦初ゴールを決めた。3-0の同41分には左クロスに苦手のヘディングで左隅に流し込んだ。リーグ開幕前の7試合で5ゴールを量産し、トップ下のポジションをがっちりつかんだ。リーグ開幕の22日レーバークーゼン戦(ホーム)の先発は確実。主要テレビ局が全国生中継する中で輝きを放ち、5万人近くの大観衆のスタンディングオべーションを受けた。

 ドイツの地元ビルト紙は、6段階で最高の1点と高く評価。2得点のパラグアイ代表FWバリオスも2点の中、両チーム合わせて最高で、ただ1人の1点だった。同紙は「ドルトムントは新加入MF香川の驚きの活躍によって欧州リーグに戻ってきた。カスピ海から来た対戦相手はハーフタイムにすでに荷物を片付けなければいけなかった」と報じた。

 日本協会からも招集のレターを受け、新生日本代表の初戦となる9月4日パラグアイ戦(日産ス)と同7日グアテマラ戦(長居)が、凱旋(がいせん)試合となる。「本当の勝負はこれから」。自分に言い聞かせるように話す21歳。世界の大舞台で結果を出してもおごることはなかった。

 [2010年8月21日9時31分

 紙面から]ソーシャルブックマーク