種目を絞るのか、絞らないのか。陸上男子100メートルで日本歴代2位の10秒01を持つ桐生祥秀(19=東洋大)が、関東学生新人選手権の200メートルを20秒92(無風の条件下)で制覇。前日の100メートルとの2冠を達成した後に「全部出てつぶれない体を目指している。100だけでつぶれるのは弱い選手」と語気を強めた。

 全部とは100、200メートル、400メートルリレーを指す。1大会でフル参戦する話題に及んだのは、16年リオデジャネイロ五輪に話題が飛んだから。現在は参加標準記録20秒50が切れていない200メートルも「タイム次第です」と視野には入れている。

 ただし、負担が大きいことも事実だ。指導する土江コーチは「個人的には五輪で勝負するためには、種目は絞った方がいい」と弟子の体をおもんぱかる。200メートルが100メートルにつながる要素もあり、今後も積極的に併用はするが、来夏にどんな選択をするかは今後の成績によるという。

 本人は「100だけと思われるのは気にくわないんですよ」と真剣だ。この日は寮の引っ越しで発生したハウスダストで鼻炎を患いながら、左太ももの故障からの復帰2戦目としてはまずまずの出来。「20秒1台まで持っていきたい。いけそう」と見通す。今季の200メートルはこれで終了。決断の時は来季になるが、果たして。【阿部健吾】