陸上男子100メートルで日本歴代2位の10秒01を持つ桐生祥秀(19=東洋大)が、来季初戦に世界室内選手権(3月、米国)に照準を合わせたことが3日、分かった。東洋大の土江寛裕コーチ(41)が「2月ぐらいからちょっとずつシーズンの練習に入り、3月中旬の世界室内ありますよね。そこには初戦で行きたいなと思っています」と明かした。

 海外レースの場数は踏んでいるが、13年世界選手権モスクワ大会は予選、14年世界室内選手権ポーランド大会は準決勝敗退。14年仁川アジア大会、今年の世界選手権北京大会はけがで欠場と、世界大会レベルの実戦は不足している。

 そこで、10月18日の布勢スプリントで今季ベスト10秒09を記録し、世界室内選手権の参加標準記録10秒15を突破したことから、同大会に白羽の矢を立てた。60メートルの世界大会だが、予選、準決勝、決勝と段階を踏み、リオ本番5カ月前に予行演習できる。土江コーチは「(出場は)練習の流れを見て決めるが、8月のリオには照準を合わせたい」と話した。

 桐生はこの日、西日本カーニバル(北九州市)に招待され、小学生らと触れ合った。リオに向け「9秒台を出したからといって目標を達成できるわけじゃないけれど、目標はファイナリスト」とあらためて決意した。今日4日からは東洋大で冬季練習を開始する。