リオデジャネイロ五輪の女子マラソン代表・福士加代子(34=ワコール)が、函館マラソン(26日、ハーフマラソンの部)を欠場することになった。理由は「右足疲労骨折の疑い」と発表されたが、福士は22日、東京都内でリオ五輪公式計時を担当するオメガ社のイベントに登場して金メダルを宣言。永山忠幸監督(56)は、骨は折れておらず、大事をとっての欠場と説明。リオ五輪に向けて、爆走する。

 福士が、ドレスアップした姿で華やかなイベントに登場した。足元は黒のハイヒール。「五輪は世界の大運動会。記録と最高の金メダルと最高の笑顔でゴールしたい」と“福士節”で宣言して、会場を沸かせた。

 イベント前は周囲をヒヤヒヤさせた。この日午前、函館マラソンの欠場が大会事務局から発表された。理由は「右足疲労骨折の疑い」。右足は疲労骨折の経験があり、小指には約5センチのボルトが入っている。古傷の再発か、それとも新たな故障か。イベント関係者も「予定通りお越しになると聞いています」と半信半疑だったが、ふたを開けてみれば、いつもの明るさ。同社から高級腕時計を贈られて大喜び。負担がかかるハイヒールも含めて、けがの影響を感じさせなかった。

 イベント後に永山監督が説明した。「右足は5月から痛みはあった。五輪で万全を期すために無理をさせずに大事をとった」。「疲労骨折の疑い」については「第4中足骨(薬指)に炎症があった。でも折れていない。危険性を秘めているので早期回復には(レースを)休むことがいい」と話した。福士も右足について「折れてないからよかった」と安心しているという。

 函館マラソンは欠場するが、7月には海外でレースを予定。マラソン練習は通常3カ月が目安とされるが、福士は半分の1カ月半で仕上げることができる。永山監督は「残り50日ある。まあ折れても折れていなくても8月14日(の本番)に出ることは義務ですから」と、日本代表の責任も口にしていた。【益田一弘】