日本陸上連盟は12日、都内のホテルでロンドン五輪の男女マラソン代表を発表した。

 大阪府池田市内にあるダイハツ陸上部の寮の外で木崎良子(26=ダイハツ)が1人泣いていた。代表発表まで気持ちが落ち着かず、1人で寮の周辺を散歩していたという。それでも選考結果が気になり、携帯電話のワンセグ画面で吉報を知った。「ほっとした気持ちでいっぱい」。安堵(あんど)の涙が頬を伝った。

 11月の横浜国際で優勝した喜びもつかの間。残る2レースが迫ると不安で眠れない夜もあった。「自分も選考されるので大阪が始まってからは緊張の日々が続いた。名古屋の時は(選ばれる)可能性が少なくなると思ってスタートの瞬間泣きそうになった」と、先に走り終え、約4カ月間選考の結果を待たなければならない苦しみを味わった。

 かつて箱根駅伝を走った父和夫さんからも電話で祝福されたという。「父が経験できなかったことをできることは誇りに思う。最後まで勝負できる力をつけてメダル争いをしたい」と誓った。