2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会理事で、陸上男子ハンマー投げの室伏広治(39=ミズノ)が16日、東京・文京区の東京医科歯科大で記者会見した。同大が10月に「スポーツサイエンス機構」を設置し、その教授に就任することが発表された。現在、体育学部の准教授を務める中京大は退任する。

 同機構は「スポーツ医歯学、スポーツ科学を融合した国内初の拠点大学を目指す」という狙いで設置される。週に1、2度は講義を持つ見込みで、04年アテネ五輪で金メダルを獲得するなど4大会連続五輪出場、日本選手権20連覇の経験などを還元する。

 昨年9月に20年東京五輪が決まった際、室伏は「若い人ばかりを特集していた」というメディア報道に疑問を持っていたという。

 「今、メダルを取っている人が、なぜ6年後の東京五輪で活躍しないと思うのか疑問でした。6年間、ケガをせず、体調を維持すればメダルを取れる。私もそう(世界トップ級で活躍)してきたのに、理解していただけなかった」と力説。「スポーツサイエンスの考えも受け入れていただきながら、新しいものをつくりたい」と、従来の概念を打ち破るつもりだ。

 自らの6年後も「夢を持つのは良いこと」とアスリート人生は捨てないつもりだ。