<高校総体:バレーボール女子・共栄学園2-1橘>◇30日◇青森県立八戸工業高等学校体育館◇決勝トーナメント2回戦

 6年ぶり3回目の優勝に挑む共栄学園(東京)が、「秘密兵器」投入でベスト16に駒を進めた。6月の関東大会で敗れた橘(神奈川)に競り勝ち、雪辱を果たした。

 相手にプレッシャーをかけたのは大型ルーキーの張心穆意(ちょう・しんむい=1年)だった。身長196センチの中国人留学生で、両親とも母国でバレーボール選手だったという。出場選手で1番の長身を誇る「壁」は、先行した場面で投入され、高いブロックで相手の攻撃を阻み、ミスを誘った。第3セットにもつれ込んだシーソーゲームで、粗削りのプレーながら最後のポイントを決めたのも、張のブロックだった。

 張は「同じ身長の選手が中国にいたので違う国で一番になろうと思って日本に来た。(アタックを)全部ブロックしたい」と片言の日本語で抱負を語った。共栄学園にとって今回は出場20回目の区切りの大会。優勝のカギを握るのは中国人の1年生かもしれない。