日本のエース高梨沙羅(19=クラレ)が合計305・8点で優勝し、自己最多の8連勝で今季9勝目、通算39勝目を挙げた。今季唯一のラージヒルで1回目に最長不倒の137・5メートル、2回目も136メートルで圧勝。13~14年シーズンにマークした7連勝の自己記録を更新した。マーレン・ルンビー(ノルウェー)が285・1点で2位。伊藤有希(土屋ホーム)は7位、勢藤優花(北海道メディカルスポーツ専門学校)は12位、岩渕香里(松本大)は15位だった。

 高梨は通算39勝目を手にして、個人総合優勝争いでトップのW杯得点を980点とした。抜群の飛距離を誇るだけに、大きな台で輝きは一層増す。今季女子で1試合だけのラージヒルのオスロは独壇場だった。両親も見守る中、ノルディックスキー伝統の地で表彰台の中央に立ち「いいジャンプを2本そろえられた。自信を持って次の試合に臨める」と満足げだった。

 1回目は有利な向かい風をうまく捉えて137・5メートルでW杯のジャンプ台記録を更新。スタート位置が下がり、風も弱まった2回目も136メートルを飛んだ。地元ファンの後押しを受け、ヒルサイズに達する飛躍をそろえた2位のルンビーを20・7点引き離した。

 今季の勝率は9割に。19戦の日程の約半分を終えたところだが、個人総合女王争いで2位のイラシュコに早くも3勝以上に相当する331点差をつけている。「予想を上回る結果」と高梨自身も驚く充実ぶりだ。

 連勝が伸びても「やることはいつも一緒。自分をコントロールするために平常心で臨むようにしている」と目先の数字には興味を示さない。揺るがない心を手に入れたジャンパーは、どこまで勝利を積み重ねるだろうか。