リオデジャネイロ五輪競泳女子100メートルバタフライで日本新(56秒86)を3連発した池江璃花子(16=ルネサンス亀戸)が休む間もなく泳ぎ続けている。この日は女子100メートル自由形で54秒79の大会新記録をマーク。リオから17日に帰国して全国高校総体(広島)へ直行し、さらに今大会と、ここ3週間で最大30レース。水泳漬けの夏休みを送る東京五輪のエース候補は、来月の岩手国体へのエントリーも発表された。

 底知れぬ16歳のエネルギーだ。五輪で7種目に出場し、100メートルバタフライで予選、準決勝、決勝で日本新記録を3連発。その勢いは、五輪が終わってもとどまらない。12レースを泳いだリオから無休で参加した高校総体は8レースで、大会新を4つ。今大会でもリレー種目を含め100メートルの自由形、バタフライと3日間で最大10レースになる。

 池江 疲れは多少ありますが、オリンピックもインターハイ(総体)も、JOC(今大会)も国体も楽しみにしている大会です。疲れを感じさせない泳ぎをしたいです。私はレースを楽しむって気持ちが大事です。それが私の持ち味です。

 100メートル自由形予選では57秒23。「とんでもないタイムを出してしまって…、決勝では54秒台を出そうと思っていました。でも、前半からスピードを出したつもりでしたが、タイムと感覚がまだあってないですね」。自分のフィーリングと、泳ぎに若干の開きを感じつつ、レースそのものを楽しむ感性は失ってない。

 今後も国体などレースは控えている。五輪の疲れも、移動の疲れも見せず、池江は「国体も去年は楽しかった。今年も日本新記録とはまではいかなくても、今のベストパフォーマンスをしたい」と、笑顔を忘れない。さらには「4年後はいい結果を出して、良かったなと思いながら(記者会見に)出たい」と、20年の五輪後をイメージすらした。伸び盛りの高校1年生の夏はまだまだ続く。【井上真】