世界81位の大坂なおみ(18=日本)が、大会初出場で3回戦進出を決めた。同103位で予選勝者の段瑩瑩(中国)を6-4、7-6のストレートで破り、次戦では同9位のキーズ(米国)に挑む。大坂は今季出場した4大大会、3大会すべてで3回戦以上に進出。日本女子としては95年の伊達公子、沢松奈生子以来、21年ぶりの記録となった。

 大坂がほえにほえた! 自分を鼓舞するように、拳を突き上げ、何度も「カモーン!」の言葉が飛び出した。180センチの大柄な体だが、めったに感情を爆発させない。しかし、この日は「勝ったら姉と母が来る。負けたくなかった」と勝利への貪欲さを見せた。

 予選勝者ながら、相手は大坂を上回る186センチの巨体だ。一発勝負のパワー対決になった。第1セット2-4から一気に8ゲームを連取。完全に主導権を握った。だが「勝ったと思っちゃった」と気が緩んだ。相手に猛反撃を食らいタイブレークへ。それでもストレートで押し切った。

 大舞台で強い。今季、1月の全豪で自身初の4大大会本戦出場。予選から本戦3回戦に進み勢いに乗った。この勝利で、右膝のケガで欠場したウィンブルドンを除き、出場した4大大会すべてで3回戦以上の成績となった。「4大大会は最も大事な大会。集中力が違うわ」。

 今季ツアーでは6度の初戦負けがある。「(4大大会と)同じにしたいけど、雰囲気も違うし」。逆に大舞台ではノリノリ。13年から日本代表コーチとして大坂のサポートを続ける吉川真司氏も「大舞台で自分の強さを発揮する集中力はすごい」と驚く。「無になって本能が出るとき、信じられないショットを放つ」。

 次戦は世界9位のキーズが相手だ。1度だけフロリダで練習をしたことがある。キーズも強打で知られ、再びパワー対決になるのは必至だが「1、2回戦で強打へのいい経験が積めた。問題ない」と動じない。「そろそろセンターでやりたいわ」。初の16強入りに向け、最後は大坂節で締めた。【吉松忠弘】

 ◆4大大会年間3回戦以上 1年間の4大大会に3大会以上出場した日本女子で、すべて3回戦以上に進んだのは、過去3回しかない。75年に沢松和子(現姓吉田)が全豪、全仏、全米で8強、ウィンブルドンが3回戦だったのが最初。95年に伊達公子(現在のクルム伊達)、沢松奈生子がすべての4大大会で3回戦以上に進出。今大会の大坂が、4度目で4人目の快挙だった。

 ◆WOWOW放送予定 2日午前7時55分~、3日午前0時~、WOWOWライブ。男女シングルス2、3回戦ほか。生中継。放送時間変更の場合あり。