女王と同じ舞台へ。バドミントンの1部に当たるS/Jリーグと、2部に当たる日本リーグの入れ替え戦が26日、東京で行われる。女子2部を制した七十七銀行は、ダブルス(複)の木戸よし美(24)に注目だ。昨年の全日本総合選手権女子シングルス(単)を初制覇した佐藤冴香(25=ヨネックス)をいとこに持つ。1部最下位の岐阜トリッキーパンダースと激突する。

 全日本女王のDNAが流れる木戸が、3年ぶりの1部昇格をかけた大一番に挑む。「1年かけて権利をつかめた。せっかくのチャンス。勝ちたい」と力を込めた。12日には七十七銀行の選手全員で、東京で行われたS/Jリーグの岐阜トリッキーパンダースの最終戦を観戦。士気を高めた。

 母よし子さん(52)の妹の長女が、12年ロンドン五輪にも出場した佐藤で、いとこに当たる。仙台市生まれの左利き、日体大卒は2人の共通点。「姉妹みたいな感じ」と笑う。小学3年でバドミントンを始めた木戸は、自宅が近かった佐藤と同じクラブチームで一緒に練習し、試合もした。

 “姉”がお手本になった。「みんな親の車で(練習に)通うのに4、5キロを走って来た」と当時の佐藤を明かす。スマッシュ、レシーブ、サーブ練習は人より多く打っていた。木戸も「負けたくない」と、練習場まで走って行ったことがある。小学校時代に知った、佐藤のバドミントンに対する意識の高さと向上心。今の木戸は、午前6時30分に始まる日々の朝練習を欠かさない。座右の銘は「努力は裏切らない」だ。

 単の佐藤と違い、両膝半月板を痛めた影響で中学3年時から、木戸は複に活躍の場を求めた。「1+1が3にも4にもなる」と2人が力を合わせれば、それ以上のパワーになると表現する。コンビを組む牧野美咲(24)とは粘り強さが持ち味。ラリーになれば簡単に失点しない。草井篤監督(41)は「足腰がしっかりしてきた。ショットが安定し、ミスをしなくなった」と評価する。日本リーグでは5戦全勝し、2人そろって最高殊勲選手賞に輝いた。