全日本テコンドー協会が2010年度にサッカーくじから受給した助成金で、制度の趣旨を外れた取り扱いがあった可能性があるとして、くじを運営する日本スポーツ振興センター(NAASH)が実態調査に乗り出すことが12日、分かった。

 同協会はスポーツ競技団体の運営強化を目的とする「マネジメント機能強化事業」を利用し、総務委員長に日本オリンピック委員会(JOC)事務局顧問だった男性(65)を採用し、692万4000円の支給を受けた。しかし同事業は4分の1を協会が自己負担しなければならず、男性が200万円を協会に寄付したという。

 同センター助成課は「寄付を条件に、制度を利用したのであれば趣旨から外れたものになる」と話している。

 男性は昨年6月に学識経験者枠でJOC理事に就任し、協会の総務委員長を退いた。取材に対し「テコンドー協会の会計が悪化していたので自分の収入から寄付した。不正ではないと認識している」と説明した。